寄稿:私の好きな志木ニュータウン 今 優馨さん

Posted 2018年11月17日

志木ニュータウンで育ち、大学で都市計画を学ぶ、今 優馨さんが「私の好きな志木ニュータウン」というタイトルで寄稿をして下さいました。

志木ニュータウンの魅力について、彼女の想いと共に巡らせてみてください。

私の好きな志木ニュータウン

今 優馨

 私は幼少期に越してきてから約20年間志木ニュータウン住んでいます。大学生になった今となってはニュータウン内で遊ぶことは全くと言って良いほど無くなりましたが、小学生までの記憶のほとんどはこのニュータウンで遊んだ思い出で埋め尽くされています。「志木ニュータウンは自分の街」。いつからか志木ニュータウンを自分のテリトリーのように意識するようになりました。中でも私がここまで志木ニュータウンを好きになるきっかけとなったのは、自然溢れる空間と人との出会いだと感じています。

 自然溢れる環境で育った私は生き物がとても好きになり、どこに行けばトカゲを捕まえられるのか、どこにどんな種類の鳥がいるのかなどを知り尽くしていました。自然だけではなく公園やボール遊びができる場所もたくさんあり、毎日クタクタになるまで遊んでは鐘の音と共に帰宅してという毎日を過ごしていた思い出があります。

 そしてもう一つ、志木ニュータウンが好きな大きな理由は温かい住民の方々の存在でした。小さい頃の記憶ですが、公園で遊んでいるといつも写真を撮ってくれるおじいちゃんがいました。ちょうど同じ住棟の真下に住んでいる方で、ベランダからスーパーボールを落としてしまった時に、事情を話したらお庭を一緒に探してくれるような優しい方でした。小学校高学年になり、お会いする機会も減ってしまったある日、たまたまお散歩中のおじいちゃんに出会いました。おじいちゃんは、おばあちゃんが亡くなってしまったこと、そして自分も長くないことを私に伝えて、どうしても受け取ってほしいものがあるからと私を自宅まで招きました。そして渡された物は、ずっと撮りためてくれていた、数え切れないくらいの写真でした。私は、その写真をみて思わず泣きそうになりました。ただ同じマンションに住んでいただけなのに、自分の孫みたいに優しく接し、ずっと写真を大切にとっておいてくれた事実が嬉しかったからです。その数ヶ月後、そのおじいちゃんが亡くなったと知りました。私は心からこのおじいちゃんと出会えて良かったと、同じマンションに住むことができて良かったと心から思いました。

 以上、私が上記でお話ししたことが当たり前ではないと知ったのは大学生になり都市計画の分野を学んでからです。こんなに自然を身近に感じられる環境で、そして近所の方々が小さい頃から成長を見守ってくれる温かい環境があることは実はとても恵まれていたのだと知りました。上述した以外でも、ぺあもーるでは焼き鳥屋さんにおつかいに行けばサービスしてくれるおじさんがいたり、会うたびに30分近くお話してくるおじいさんがいたり、様々な人との出会いがありました。多くの方々はもうこの世にはおりませんが、そういった方々と出会えたことは私の人生の宝物です。大学生になった今でも、すれ違うと挨拶したりお声かけしてくれる方々も多くおり、こんな温かい人々の囲まれる住宅地は他にないんじゃないかと勝手に思っています。

 時代の変化に伴い人と人との関係が希薄化する中でも、この素晴らしい環境がこれからもずっと続いて欲しいと私は強く思います。